イヤホンが点滴になったらおかえり

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彼女の眼に従属化=主体化される僕を引き受けたら、マロニエの樹は枯れてしまうかしら

京都

水鏡に咲く緋色の花を吸って透明性に手が伸びる、けれども君に債を負うから、僕は花に名前を、遠い昔の

君、あるいは過去への返答

過去に書いた文章群から、会話というトピックに関連があると思われるものをピックアップして追記・返答・解題しました。 私から発せられる言語を言語として承認してくれる人間にはたくさん会って自分を託した方がいいし、守れない約束も山ほどした方がいい。…

謝辞

「私はかなり君と仲がいいと思っているよ」「オレも毎日寝る前にそうだといいなと思ってました」 何度もリフレインしては大事に記憶している会話がいくつもあります。そういうものに生かされています。 人間関係という継続的な何かは無くて、あるのは対話の…

5(末の露本の雫)

夜雨が熾す白熱色の線香花火

re(230606)-無題

人間の情報で、一番はじめに失われるのは声だと思う。 父方の祖母は、昨年の1月に死んだ。私が年賀の電話をした、3日後だった。私が来週成人式だと言うと、「そうかい、そうかい」と栃木訛りの相槌を打っていた。夏に会いに行く度、「あらまぁ、大きくなって…

3(無題)

本棚に並べたある日のカップ麺と自殺

2(son parfum)

今日5番目の太陽が堕ちて、きっと明日も林檎の実が食べたい

1(le rien)

生存本能の遺却と直観される幸福が完全になった瞬間、残夜の珈琲を淹れるように自死

0(入水)

内も外も海その直前に求めた地は言海